子供たちにとっては魅力的なもの、それは塾にあるホワイトボード。 塾備え付けのマーカーを全色使って、始業のベルが鳴る前に壮大な絵を描き上げる子もいますし、授業中にちょっとヒントの絵を描こうものなら、「先生、ちょっとマーカー貸して」とお絵描きが始まる子もいます。 もちろん、お絵描きの授業でもないので早々に切り上げるのですが、唯一お絵描きを全面的に許される機会があります。 「詩」の授業です。 詩が苦手 何を言っているのかわからない ということばをよく聞きます。 かくいう私も 小学生のころ「詩」は苦手でした。 情景が思い浮かばなかったですし、書き手が何を思い浮かべたかったかって?知らないよ。 とすら思っていましたっけ。 受験を前提としている方も、そうでない方も苦手だと思っている生徒さんにはまずは、詩を読んで絵をかかせます。 初めて一人で電車に乗った少女がどきどきしている詩、山のススキの中を二匹の狐が飛び跳ねている詩、シカが猟師を見据えている詩。 絵に描かせると、よくわからないって言っている生徒さんも実は結構のびのびと情景を表せたりするのです。 見ているこちらも、詩のどのあたりが読み取れていないのかが分かりやすくなってきます。 そして、絵をもとに詩に込められた感情を質問形式で導き出していくとスルスルと詩の理解が始まり苦手意識はあっという間に払しょくされます。 「詩がめんどくさい 嫌いや」と言っていた彼は今では 「詩が一番楽しい」と言ってくれています。 終